2018年2月7日(日本時間8日)、Googleはスマートホームデバイスを扱うNest社を再び傘下に収め、ハードウェア部門に統合することを発表しました。
Nestは2014年、Googleに32億ドルで買収されましたが、2016年にはGoogleの親会社アルファベット社の「Other Bets」プロジェクトの1つとして独立した経営に移行していました。
Googleは今回、Google自身とNest双方のハードウェアビジネスを強化する手段として、再吸収を行いました。吸収後もNestのブランド名は残り、引き続きスマートホームデバイスを発売していくことになります。
今後、NestデバイスにはGoogleアシスタントが標準搭載されるようになる見込みで、現在Amazonの独壇場となっている音声アシスタント市場のシェアを狙っていく構えです。
Amazonは音声アシスタント市場にいち早く参入し、圧倒的シェアを獲得しました。Amazon Echoシリーズは市場を支配しており、Amazonは冷蔵庫から自動車まで、Alexaを家庭内のどこにでも広めようと積極的に取り組んでいます。
Alexaは、交通情報や天気をはじめとしたユーザーの質問に回答する際、Yahoo!BingなどGoogle以外の検索エンジンを利用しています。 Googleが危惧しているのは、Alexaが使用されればされるほど、Googleの検索エンジンが使用される機会が減る可能性についてです。
また、AmazonはAlexa独自の広告ビジネスを計画中です。報道によると、2018年中にAlexa内での広告展開を開始する見通しです。
Alexaのユーザー数がAmazonの見込み通りの伸びを示すなら、それはGoogleから広告収入と広告市場におけるシェアを奪い始める可能性があります。アマゾンの成長が止まらない場合、近い将来、Googleは大きな地位を失うかもしれません。
しかし、Googleアシスタントはスマートスピーカーの販売数では遅れをとっているものの、PixelをはじめとしたAndroidデバイスに搭載されており、それを加えると約2億台のデバイスに搭載されています。これはAlexaにはないGoogle独自のアドバンテージといえるでしょう。
GoogleとAmazonは、コンピューターの中心がPCやスマートフォンから他のデバイスに移行する未来へ向けて取り組んでいます。Googleは他の誰よりも、特にAmazonよりも前に、そのような未来を実現させようとあらゆる手を尽くしていくでしょう。