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2024.05.02
2024.05.02

クラウドSIMとは?通常のモバイル回線との違いやメリット、デメリットを解説

記事ライター:iedge編集部

クラウドSIMとは

クラウドSIMは、SIMカードと同じようにモバイル回線で通信するために必要な情報が保存されているものです。では、クラウドSIMの特徴や仕組みについて見ていきましょう。

クラウド上にSIMが置かれている

クラウドSIMは、クラウド上にSIMの情報が置かれているのが特徴です。クラウドSIMを使用する端末においては、SIMカードを入れる必要はありません。
また、SIMカードの場合には特定の携帯キャリアの回線のみを使用できます。例えば、ドコモやドコモ回線のMVNOのSIMであれば、ドコモ回線にしかつながりません。これに対して、クラウドSIMは、複数の携帯キャリアの回線を使用できるのが特徴です。ドコモ回線に接続されることもあれば、au回線やソフトバンク回線に接続されることもあります。

クラウドSIMでインターネットにつながる仕組み

クラウドSIMに対応している端末の電源を入れると、クラウド上にあるSIMバンクにつながって認証されます。SIMバンクというのは、SIM情報を管理するために通信業者が保有している機器のことです。
端末が認証されると、場所や混雑状況などをもとにして、最適な回線が自動的に割り当てられます。そして、SIMのデータが端末に送られ、そのデータを元にモバイル回線につながる仕組みです。

eSIMとは別物

eSIMを使用する場合にも、SIMカードなしでモバイル回線に接続できます。そのため、クラウドSIMとeSIMを混同してしまう人もいるかもしれません。しかし、eSIMとクラウドSIMとは全く別物で、モバイル回線につながる仕組みが異なります。
eSIMは、SIMの情報が端末内に保存されているのが特徴です。基本的にSIMカードを使用するのと同じで、特定の携帯キャリアの回線にのみ接続できます。

クラウドSIMを利用できる端末

クラウドSIMに対応している端末の大半はモバイルルーターです。主に屋外でノートパソコンやタブレット端末などを接続して使用します。クラウドSIMのサービスを提供している業者から専用の端末をレンタルするケースが多いです。
据え置き型のルーターやスマホでもクラウドSIMに対応している機種はありますが、かなり少なく、ごく一部にとどまります。基本的にはモバイルルーターで使用するものと捉えておいていいでしょう。

クラウドSIMの料金相場

クラウドSIMは、1ヶ月で利用可能な容量によりプランが分かれています。
20GBプランなら月額2,000〜2,500円程度が相場です。モバイルルーターを使用するものの、データ容量はあまり消費しないのであれば、20GBプランを選ぶのがいいでしょう。
50GBプランなら月額3,000円前後が相場です。20GBプランと比べると余裕を持って利用できます。
100GBプランなら月額3,500円前後が相場です。自宅に固定回線がない人やデータ容量を多く使用する人に向いているでしょう。業者によっては200GBや無制限プランもあります。料金相場は月額4,000円以上です。

クラウドSIMのメリット

クラウドSIMを利用するメリットについて見ていきましょう。

通信障害に強い

携帯キャリアでは稀に通信障害を起こすことがあります。数時間程度でも、スマホやパソコンがインターネットにつながらなくなると不便でしょう。どの携帯キャリアを使っていても、通信障害のリスクはあり、完全に避けるのは難しいです。
その点、クラウドSIMなら携帯キャリアのうち1つが通信障害を起こしても問題ありません。複数の携帯キャリアの回線を利用できるため、通信障害が発生しているときには、別の携帯キャリアの回線につながります。
通信障害に備えてサブ回線を契約する方法もありますが、クラウドSIMなら1つの契約で済むのもメリットです。

海外でもそのまま利用できる

通常のモバイルルーターやスマホを使用する際には、海外用のSIMカードを用意しなければなりません。設定の変更が必要になることもあり、手間がかかります。
その点、クラウドSIMなら、海外でも設定を特に変更することなく使えるのがメリットです。現地に着いたら端末を再起動すると、現地のモバイル回線につながるようになります。全ての国で利用できるわけではありませんが、約100ヶ国で利用できます。旅行や出張などで海外に行く機会が多い人にとっては便利です。

短時間で大量の通信も可能

通常のモバイルルーターだと、短時間で大量の通信をすると制限がかかる場合があります。クラウドストレージにファイルをアップロードしたりダウンロードしたりするときには、制限を気にしながら使用するでしょう。
クラウドSIMなら、1ヶ月の通信容量をオーバーしなければ制限にかかることはありません。そのため、短時間で大量の通信もできます。

料金が安い

クラウドSIMは、携帯キャリアのサービス契約と比べると安く利用できます。携帯キャリアのサービスからクラウドSIMに乗り換えれば、通信料金が半分以上安くなることもあるかもしれません。現在携帯キャリアのサービスを利用していて、料金が高いと感じている人におすすめです。

クラウドSIMのデメリット

クラウドSIMを利用する際には、次のようなデメリットも認識しておきましょう。

通信速度はあまり速くない

クラウドSIMの速度は、他の通信サービスと比べてあまり速い方ではありません。業者によってやや差がありますが、10〜20Mbps程度までしか出ないところが多いです。Pingは40〜50ms程度です。
これまで携帯キャリアのサービスを利用していた人なら、遅いと感じるかもしれません。
そのため、クラウドSIMはオンラインゲームや高画質の動画視聴など、速度が要求される用途には向かないでしょう。途切れてしまうなどして、快適に使えない可能性があります。
Webサイトを閲覧したりSNSアプリを使用したりするのがメインの用途であれば、特にストレスを感じることはありません。

回線の選択はできない

クラウドSIMでは、複数の回線を使用できるものの、自分で回線を選べるわけではありません。接続するときに回線は自動的に選択されます。例えば、ドコモ回線を使いたくても、au回線につながることもあるでしょう。
そのため、回線にこだわりのある人や、いつも同じ回線を使用したい人には向かないかもしれません。

契約期間に縛りがある業者が多い

業者やプランによっては、1年や2年など契約期間に縛りが設けられていることが多いです。契約更新のタイミング以外のときに解約をすると違約金が発生してしまいます。
業者によっては縛りなしのプランもありますが、月額料金が500〜1,000円程度割高に設定されています。短期間しか利用しない場合には、縛りなしのプランを選ぶのがいいでしょう。

支払い方法の選択肢があまり豊富でない

クラウドSIMの業者は、料金の支払い方法がクレジットカードのみのところが大半です。銀行口座振替やコンビニ払いに対応している業者もありますが、それほど多くはありません。そのため、クレジットカードを持っていない人や使いたくない人の場合には、業者の選択肢が限られてしまいます。

まとめ

クラウドSIMは、クラウド上にSIMのデータを置き、SIMカードを使用せずにモバイル回線に接続できるサービスです。主にモバイルルーターで利用できます。複数の携帯キャリアの回線を使用できるため通信障害に強いです。海外でもそのまま使用できます。
モバイルルーターを利用するのであれば、クラウドSIMを選択肢の1つとして検討してみましょう。

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