充電中にスマホを使うのはよくない、とよくいわれます。確かに充電しながら電池を消費しているのですから、バッテリーにはよくなさそうです。
しかしそれは本当なのでしょうか。充電中はスマホを使わずに、じっと100%になるのを待っていたほうがよいのでしょうか。
スマホの充電、バッテリーの真相に迫ります。
充電しながらスマホを使うのはNG!?
「バッテリーを充電しながらスマホを使うのはよくない」といわれています。果たしてそれは本当なのでしょうか?
結論からいうと、充電しながらスマホを使うのは悪いことではありません。
スマホのバッテリーには「リチウムイオン電池」が使われています。名前のとおりリチウムという金属を用いており、リチウムイオンが移動することで電流を発生させる仕組みです。
リチウムイオン電池が劣化する原因は、主にふたつあります。
- サイクル劣化:充電回数による劣化
- 保存劣化:満充電または充電が0%の状態で長期保存されることによる劣化
充電しながらのスマホの利用はどちらにも含まれないため、充電しながらスマホを使うこと自体はバッテリーの劣化につがらないと考えられています。
ただし、リチウムイオン電池は熱が弱点です。スマホを使用することで発熱することがあります。この発熱によって、バッテリーの寿命が縮まることがあります。
とくに3Dゲームや動画アプリのような負荷の大きいアプリの利用は、発熱の大きな原因です。充電しながらスマホを使ってもよいですが、ゲームや動画視聴はなるべく避けましょう。
バッテリーの寿命を縮める4つの使い方
バッテリーの寿命を縮めてしまうスマホの使い方には、次のようなものがあります。
- 常に100%まで充電してしまう
- バッテリーを0%まで使い切ってしまう
- 頻繁に充電をしすぎてしまう
- 高温な場所でスマホを使う
上記の使い方をしている場合は、バッテリーの劣化を早めてしまうかもしれません。
常に100%まで充電してしまう
スマホを充電する際は、100%まで充電したくなるかもしれません。しかし、常に100%まで充電するのは、バッテリーの寿命を縮める使い方のひとつです。
リチウムイオン電池を100%の状態で維持し続けると、負荷がかかり劣化を早めてしまいます。これがいわゆる「過充電」です。過充電の状態が続くと、バッテリーの寿命が短くなってしまいます。
朝起きてすぐ使えるように、スマホを充電したまま寝る人もいるでしょう。しかし、充電したまま寝るとバッテリーが100%の状態で維持されることになり、バッテリーの劣化につながります。
スマホのバッテリー寿命を延ばしたいなら、過充電はなんとしても避けなければなりません。
バッテリーを0%まで使い切ってしまう
バッテリーを0%まで使い切ってしまうのも、バッテリーの寿命を縮めてしまう使い方です。
リチウムイオン電池の残量が0%のまま放置するとバッテリーが劣化し、寿命が短くなります。0%になってすぐ充電するなら、まだ影響は少ないです。しかし、0%のまま放置する時間が長ければ長いほど、バッテリーの劣化が激しくなります。
頻繁に充電をしすぎてしまう
頻繁に充電をしすぎても、バッテリーの寿命を縮めてしまいます。
充電を繰り返すことによるリチウムイオン電池の劣化が「サイクル劣化」です。一般的には300~500回充電することで、バッテリーの最大容量が2~3割減るといわれています。
0%まで使い切るのはNGですが、かといって充電のしすぎもバッテリーには悪影響です。
高温な場所でスマホを使う
温度の高い場所でスマホを使うと、バッテリーの寿命を縮めてしまいます。
リチウムイオン電池は熱が弱点です。温度が高い場所でスマホを使うと発熱しやすくなり、バッテリーの劣化につながります。直射日光の当たる場所や真夏の車内、暖房器具のそばなどでスマホを使うのは要注意です。
手帳型ケースや保護性能が高い分厚いカバーをつけるのも、スマホに熱がこもる原因になります。
スマホのバッテリーを長持ちさせる方法
スマホのバッテリーを長持ちさせる方法には、次のものがあります。
- バッテリーを100%まで充電しない
- 0%になる前に充電する
- スマホが発熱するのを避ける
- 余計な機能をオフにしてバッテリーを節約する
- スマホのバッテリー劣化防止機能を使う
バッテリーを100%まで充電しない
スマホを充電するときは、100%まで充電しないようにしましょう。
100%まで充電するとバッテリーの劣化につながります。80~90%まで充電されたら、充電を止めてください。
もし100%まで充電してしまった場合は、速やかに充電器から外しましょう。100%の状態で充電し続けるのも、バッテリーが劣化する原因です。
0%になる前に充電する
スマホのバッテリーが減ってきたら、0%になる前に充電を開始してください。0%のまま放置すると保存劣化により、バッテリーが劣化します。
目安としては、15~20%前後で充電するのがおすすめです。
スマホによっては、バッテリーの残量が10~20%以下になると、「バッテリー残量が少なくなっています」といった、充電を促すメッセージを表示します。このメッセージを目安に充電してもよいでしょう。
もしスマホを長期間使わない場合は、50%ほど充電した状態で電源を切ってください。電池が0%になり、過放電によって劣化するのを防げます。
スマホが発熱するのを避ける
発熱はリチウムイオン電池の大敵です。スマホが発熱するのを避けることで、バッテリーを長持ちさせられます。
具体的には、次のような使い方を意識しましょう。
- 直射日光下や真夏の車内など、高温な場所でスマホを使わない
- スマホを充電するときはできるだけケースを外す
- 充電しながらスマホを使う場合、発熱したら利用を止める
ケースをつけたままだとスマホが放熱されにくくなります。とくにスマホ全体を覆う手帳型ケースは熱がこもりやすいです。
少し面倒に感じるかもしれませんが、充電する際はできる限りケースを外してください。
充電しながらのスマホの利用は、スマホが発熱していなければ問題ありません。しかし、スマホが発熱しはじめた場合は、充電が完了するまでスマホの利用を控えてください。
とくに3Dゲームなど、負荷の大きいアプリの利用は要注意です。
余計な機能をオフにしてバッテリーを節約する
リチウムイオン電池は充電を繰り返すことで劣化します。これが「サイクル劣化」です。
バッテリーを節約して充電回数を減らすことも、バッテリーの寿命を延ばすことにつながります。そのためには、普段使わない余計な機能をオフにするのが効果的です。
- Wi-Fi
- Bluetooth
- 位置情報(GPS)
- 使わないアプリのバックグラウンド通信
とくに位置情報をオンにしていると、バッテリーの消費が激しくなります。地図アプリなど位置情報を利用するアプリを使わないときは、電源をオフにしておくのがおすすめです。
このほかにも画面の明るさを下げたり、自動で画面がロックされる時間を短くしたりすることも、バッテリーの節約につながります。
スマホのバッテリー劣化防止機能を使う
スマホのなかには独自のバッテリー劣化防止機能を搭載している機種があります。
- Xperiaシリーズ:いたわり充電
- AQUOSシリーズ:インテリジェントチャージ
- arrowsシリーズ:電池長持ち充電
- iPhoneシリーズ:バッテリー充電の最適化 など
細かい機能は機種によって異なりますが、いずれも過充電を防ぐことでバッテリーの劣化を抑えられる機能です。
たとえばiPhoneの「バッテリー充電の最適化」を利用すると、iPhoneの充電が100%になるまでの時間を調整し、過充電を防いでくれます。
該当機種を持っている場合は、こういったバッテリー劣化防止機能をうまく活用してください。
それでもバッテリーの寿命は2年程度
紹介した方法を活用すれば、バッテリーの寿命を延ばすことが可能です。とはいえ、どれだけ頑張ってもバッテリーの寿命には限界があり、永遠に使い続けることはできません。
使い方にもよりますが、スマホのバッテリーの寿命は2~3年程度といわれています。バッテリーに気を配っても、2~3年したらバッテリーを交換するか、スマホ本体を機種変更しなければなりません。
バッテリーを長持ちさせることばかり気にして、スマホを快適に使えなくなっては本末転倒です。
無理にバッテリーの寿命を長持ちさせるよりも、2年程度でバッテリー交換もしくは機種変更することを前提に使うほうがよいかもしれません。