JR西日本は、大阪ステーションシティ(大阪駅)のノースゲートビルディングオフィスフロアにて、お掃除ロボット「CL02」の実証実験を開始しました。
今回は、「CL02」の特徴や、すでに大阪駅に導入されているお掃除ロボットについて解説します。
お掃除ロボットで人材不足を解消
お掃除ロボットにはさまざまな種類があり、その機能や大きさによって活躍する場が違います。
ここでは、JR西日本が新たに実証実験を開始したお掃除ロボットについて解説します。
お掃除ロボット「CL02」の実証実験を開始
株式会社JR西日本は、大阪ターミナルビル株式会社と共同で、お掃除ロボット「CL02」の実証実験を2022年5月31日にスタートしました。
「CL02」は、CYBERDYNE株式会社が製造するお掃除ロボットです。
大きさは、620mm × 480mm × 470mほどで、人が乗って運転するタイプのお掃除ロボットではありません。
「CL02」は、約2時間自動で運転し、掃除します。
事前のルート指定や掃除レポートはタブレット端末で確認できるため、その実績が可視化できる点も特徴のひとつです。
実験対象エリア
実験の対象エリアは、大阪ステーションシティ(大阪駅)のノースゲートビルディングオフィスフロアです。ノースゲートビルディングは、店舗フロアもある巨大複合商業ビルです。今回の実証実験は、夜間清掃の労働環境改善を目的としているため、深夜のオフィスフロアで行われました。
人の手で清掃すると時間がかかっていたカーペットが敷かれたエリアの掃除も、お掃除ロボットを導入すれば、夜の間に清掃が完了できます。
エレベーターとロボットが連動して移動可能
「CL02」最大の特徴は、エレベーターと連動できる点です。「CL02」のオプション機能であるマルチベンダー型のエレベータ連動ユニットを設置すると、エレベーターと連動し自動で乗り降りできます。
この機能を持ったお掃除ロボットの導入は、関西で初めての取り組みです。
これまで、1フロアの清掃をするお掃除ロボットはありましたが、他の階に移動するときは人の手が必要でした。しかし、「CL02」はロボット自身でエレベーターへの乗降や昇降を行えます。
お掃除ロボット導入のメリット
お掃除ロボット導入のメリットを解説します。
作業スタッフの負担を軽減するために、お掃除ロボットの存在は欠かせません。
人件費を削減できる
清掃業務は、場所や時間帯に関係なく人手不足です。深夜帯の勤務が集まらない状況の続く現場が多く、悩まされている企業は多くあります。
お掃除ロボットを導入すると、人がいない時間に稼働できるため、掃除場所の忘れや清掃後に汚れが溜まることはありません。
また、人件費が削減できる点も大きなメリットです。
人を雇って清掃業務をすると、人件費がかかります。「CL02」は、無人お掃除ロボットのため、人件費が必要ありません。
お掃除ルートの設定と、万が一のバグがあった場合に備えて管理する人がいれば、作業可能です。
除菌ができる
CYBERDYNE株式会社のお掃除ロボット「CL02」は、空間を除菌できる機能も備えている製品です。
・手すりやベンチに対して、除菌剤噴霧機能を使って除菌
・床に付着している菌を、赤外線照射機能を使い非接触で除菌・吸引
・本体付属の3Dカメラで、除菌対象物と障害物を瞬時に見分けて対応
このように、感染症対策に非常に効果を発揮します。
大阪駅構内ではお掃除ロボットが活躍している
今回実証実験が開始された「CL02」の他に、大阪駅構内ではすでにお掃除ロボットが活躍しています。
ここでは、お掃除ロボット「RS26 powered by BrainOS」についてご紹介します。
「RS26 powered by BrainOS」の導入目的と対象エリア
「RS26 powered by BrainOS」(以下RS26)は、2018年8月1日より発売されたお掃除ロボットです。大阪駅構内の、以下の場所で稼働しています。
・大阪ステーションシティの中央コンコース
・暁の広場
・ルクア東西通路
・バス乗り場
RS26の導入目的は、労働不足の改善と清掃品質の統一です。
実証実験が行われた後、本格導入されました。
実証実験では、掃除品質の均質化や予期せぬ障害物に対する安全性が確認され、導入が決定されています。
「RS26 powered by BrainOS」の特徴
RS26の特徴は、その手順にあります。1度目の清掃はスタッフが乗り込み、清掃ルートを記憶します。2度目以降は、掃除ロボットが自動に操縦する仕組みです。
その他、以下のような特徴があります。
・複数のルートを記憶し、異なる複数エリアの清掃が可能
・人やその他の障害物がお掃除ロボットの前に横切ったときは、障害物を避けながら走行が可能
お掃除ロボットの特徴
お掃除ロボットの特徴は、人の作業ではできない部分を補える点です。
掃除のムラが少なくなる
清掃業務は担当者や時間帯によって、掃除できていない箇所が生まれる可能性もある仕事です。一方、お掃除ロボットは、一度ルートを読み込めば、誤作動がない限り、均一な掃除が可能です。
特に、広い面積が伴う床の清掃では、効果を発揮するでしょう。
人件費の削減になる
お掃除ロボットを導入すると、人件費を大幅に削減可能です。
たとえば、人通りが多い場所だと、どうしても清掃業務が難しくなります。
そうなると、早朝や深夜に清掃業務を行う必要がありますが、人手不足や急なシフトの穴があると人件費を上げて人を雇う必要があるでしょう。
しかし、ロボットであれば、故障さえなければ、人が少ない夜間に効率良く作業が可能です。
まとめ
JR西日本が新たに実証実験を開始した「CL02」は、将来の労働力不足問題の解決策となるお掃除ロボットです。
エレベーターと連携し他の階の清掃もできるロボットの導入は、関西で初めての試みです。
今後も、その活躍が期待されます。