目まぐるしく変わるスマートホームの現在
スマートホームでできることは飛躍的に増えてきています。
かつては「家に帰ったら自動で部屋が明るくなって、快適な温度になっている」等の電気機器が単純に自動化された住宅をスマートホームと言っていましたが、現在ではもう一段階進んで、「自分の意のままの生活」を実現できるのがスマートホームという所まで来ています。
また、これまでは行き届いた管理のスマートホームを構築するのには大きな労力が必要でしたが、スマートフォンの高性能化や、スマートスピーカーの普及、プラットフォームの進化もあり、今では手の届く範囲になっています。
中には行動パターンを学習することで、自動でスケジューリングしてくれるような製品も出てきているため、今後ますますスマートホーム化のハードルが低くなっていくことでしょう。
次に、国内外のスマートホームの現在の動向を見ていきます。
国内の動向
国内のスマートホーム市場は、今後数カ月単位で大きく様変わりするかもしれません。「スマートホーム」という単語のGoogle検索数を見てみても、2017年11月現在、過去5年で圧倒的に高い水準にあります。
なぜ現在スマートホームという言葉が急浮上しているのでしょうか。その理由は、Amazonのスマートスピーカー「Amazon Echo」の国内発売にあります。
音声で制御できるAI「Alexa」を搭載し、家庭内のIoT機器をコントロールできるAmazon Echoは、米国で2014年の発売以来、約3,000万台を売り上げ、現在のスマートホームを象徴するデバイスとなっています。
かつてiPhoneの登場でスマートフォン市場がそれまでとは全く異次元のものになったように、このAmazon Echoの日本上陸で、現在のスマートホームを取り巻く状況は、今後どうなるか予想がつきません。
ただ、スマートホーム市場において、現在がターニングポイントになっていることは間違いないでしょう。
また、Amazon Echoだけでなく、一足先に日本上陸を果たしたGoogle Home、LINEのClova WAVEなど、日本語に対応したスマートスピーカーが増えてきています。
特にGoogle Homeは積極的な広告戦略を打ち出しています。「OK,Google」で始まる印象的なテレビCMを見たことがある方も多いかもしれません。
Amazon Echoの普及効果で、これらの製品にも相乗効果が生まれるか、要注目です。
世界的な動向
スマートホームの現在の世界的な動向として、AppleがどれだけAmazonに迫れるかが注目されています。昨年まで、スマートスピーカー市場はAmazonが約9割と、圧倒的なシェアを握っていました。
2017年にはGoogle Homeの登場もあり、Amazonは約7割まで後退しましたが、それでもなお、圧倒的シェアを誇っています。このスマートホーム市場の状況の中で現在注目されているのは、Apple Home Podです。
Siriをベースにしたシステム「Homekit」を搭載し、iPhoneやMac PCとの高い互換性を売りにしています。また、Appleのフィリップ・シラー副社長によると、Homepodの音質は「家を揺るがす」くらいの高品質だと強調し、Amazon EchoやGoogle Homeとの差別化を図っています。
これまで多くの革新的製品を生み出してきたAppleですが、ことスマートスピーカーに関してはAmazonから大きく後れを取ってのスタートとなります。Apple HomePodはこの差を埋めるカギになるか、要注目です。
国内メーカーの巻き開始にも期待
いかがだったでしょうか。日本国内と海外におけるスマートホームの現在の注目動向について紹介しました。
図らずもスマートスピーカーに関する話題がメインになってしまいましたが、現在のスマートホームにおけるスマートスピーカーの存在感がそれほど大きいという事の裏付けかもしれません。
多くの注目を集めるAmazon Echoも、現在は「招待メール」が来たユーザーのみ購入できる状況で、大きく普及するにはまだ時間がかかるでしょう。
ソニーの「MESH」など、国内メーカーからも野心的な製品が出ているものの、まだまだ広く一般に普及するスマートホーム製品は出ていません。一方で、現在ソニーやパナソニックが欧米でスマートスピーカーに進出を始めているため、今後日本でも見られるかもしれません。
スマートホーム市場の今後の動向から目が離せません。