Appleが、iPhone、iPad、Apple Watch、MacBook(Patently Apple経由)など、さまざまな製品の強力な光吸収マットブラック仕上げの特許を申請していることがわかりました。
米国特許商標庁に提出された特許出願は、「マットブラックの外観を有する陽極酸化部品」と題され、仕上げの特徴とそれを達成するための可能な製造プロセスの概要を示しています。またこの特許では、その仕上げがアルミニウム、チタン、鋼を含むさまざまな金属および金属合金に施せることも示しています。
仕上げは、「可視光を吸収することができるランダムに分布した光吸収機能」を含む陽極酸化層を含みます。この層には、「色の粒子が細孔内に注入される」細孔が含まれています。その結果表面は、深くて濃いマットブラックになります。
真の黒色を製品化する難しさ
本物の黒色を実現することは非常に困難で、ほとんどの市販の「黒色」製品は実際には濃い灰色または青色です。この特許は、「陽極酸化層の細孔内に染料粒子を単に堆積させるだけでは、真の黒色を与えるには不十分である」と説明しています。
関係する問題の1つは、一般に、真の黒になるほど、仕上げの光沢が高くなり、それが大量の可視光を反射してしまうことです。Appleは、陽極酸化層の表面を細孔でエッチングする際に「一般的にすべての可視光」を吸収して、光沢を増すことなく、より真の黒の仕上げを実現することができるとしています。
Appleのソリューションは、既に世に出回っている最も暗い物質の1つである「Vantablack」などの真っ黒なソリューションと同等であり、最大99.965パーセントの光を吸収するようです。
スキンなどの他のオプションもありますが、AppleはマットブラックのMacBookを提供したことはこれまでありません。ただ、同社はiPhone7などの他の製品ではいくつかのマットブラック仕上げを実験してきました。
特許出願は、Appleが市場に投入しようとしているものの証拠と見なすことはできません。現に商品化されていない多くの特許アイデアがあります。しかし、それでも特許を見るとAppleが舞台裏で何を研究し開発しているかについての興味深い洞察を得ることができ、将来の製品化への期待が高まります。
(画像引用:https://www.colorware.com/)