27インチiMacのスペックと価格
従来のiMacを大きく上回るパフォーマンスを可能にしたのが、今回メジャーアップデートされた27インチiMacです。発表と同時に発売されたわけですが、その発表の内容から大きな話題となっています。まずは、27インチiMacの基本スペックや価格などについて紹介していきます。
価格(税別) | ・216,800円〜(3.3GHz)
・249,800円〜(3.8GHz) |
ディスプレイ | ・27インチ(対角)
・Retina 5Kディスプレイ ・5,120 x 2,880ピクセル解像度 ・10億色対応 ・500ニトの輝度 ・広色域(P3) ・True Toneテクノロジー ・Nano-textureガラスに変更可能 |
プロセッサ | ・3.3GHz 6コア第10世代Intel Core i5
(Turbo Boost使用時最大4.8GHz) ・3.8GHz 8コア第10世代Intel Core i7 (Turbo Boost使用時最大5.0GHz) ・いずれも3.6GHz 10コア第10世代Intel Core i9(Turbo Boost使用時最大5.0GHz)に変更可能 |
メモリ | ・8GB(4GB×2)2,666MHz DDR4メモリ
・ユーザーがアクセスできるSO-DIMMスロット×4 ・16、32、64、128GBに変更可能 |
ストレージ | ・512GB SSD
・1または2TB SSDに変更可能(3.3GHz) ・1、2、4、8TB SSDに変更可能(3.8GHz) |
グラフィックス | ・Radeon Pro 5300(4GB GDDR6メモリ搭載)
・Radeon Pro 5500 XT(8GB GDDR6メモリ搭載) ・Radeon Pro 5700(8GB GDDR6メモリ搭載)に変更可能(3.8GHz) ・Radeon Pro 5700 XT(16GB GDDR6メモリ搭載)に変更可能(3.8GHz) |
接続と拡張性 | ・3.5mmヘッドフォンジャック
・SDXCカードスロット(UHS-II) ・USB-Aポート×4 ・2つのThunderbolt 3(USB-C)ポート(※1) ・10/100/1000BASE-TギガビットEthernet(RJ-45コネクタ) ・10Gb Ethernetに変更可能(1Gb、2.5Gb、5Gb、10Gb Ethernet対応) ・Kensington社ケーブルロック用セキュリティスロット |
入力 | ・Magic Keyboard / Magic Mouse 2
・Magic Keyboard(テンキー付き) / Magic Trackpad 2に変更可能 |
ワイヤレス | ・Wi-Fi:802.11ac Wi-Fiワイヤレスネットワーク接続(IEEE 802.11a/b/g/n対応)
・Bluetooth:Bluetooth 5.0ワイヤレステクノロジー |
※1:「DisplayPort」「Thunderbolt(最大40Gb/s)」「USB 3.1 Gen 2(最大10Gb/s)」「別売りアダプタを使用したThunderbolt 2」「HDMI」「DVI」「VGA」に対応しています。
27インチiMacの基本スペックはこの通りです。今回は全モデルに超高速SSDが採用されているのが大きなポイントですね。従来のiMacと比べて、およそ4倍もの記憶領域が備わっていると言われています。
カスタマイズにより「Pro」を上回る可能性も?
従来のiMacを上回るRetina 5Kディスプレイを搭載している点もひとつのポイントです。スペック表からも分かるように、10億色の再現力、500ニトの高輝度を誇る美しさは、これだけでも27インチiMacを購入する理由になるといっても過言ではないでしょう。
さらに注目は、ディスプレイへの光の映り込みを最小限に抑えるというガラスのオプション「Nano-texture」です。これはiMac Pro Display XDRで初めて採用されたオプションです。iMac ProといえばiMacの上位モデルで、フルスペックにすると税込み150万円超えなどという超高価なiMacです。
さすがにスペックや価格は及びませんが、今回の27インチiMacもフルスペックにすると同じく税込みで100万円を超えます。しかも、iMac Proには18コア2.3GHzの最上位モデルが用意されていますが、こちらは最大ストレージ4TBまで(27インチiMacは8TB)、そのうえ「Nano-texture」ガラスはオプションで選べません。
つまり、カスタマイズの仕方によっては、iMac Proよりも27インチiMacのほうが低コストで高スペックにすることも可能、というわけです。
デザインは継承しているが中身がまったく異なる
画像引用元:https://www.apple.com/jp/shop/buy-mac/imac/27-%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%81-3.3ghz-6%E3%82%B3%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%BB%E3%83%83%E3%82%B5%EF%BC%88turbo-boost%E4%BD%BF%E7%94%A8%E6%99%82%E6%9C%80%E5%A4%A74.8ghz%EF%BC%89-512gb#
27インチiMacのデザインは従来のiMacとほとんど変わっていません。しかし、中身はまったくの別モノといってもよいでしょう。
プロセッサとメモリ容量が大幅に向上した
27インチiMacには最大10コアのオプションが用意されています。これにより、Turbo Boost使用時最大5.0GHz、CPUパフォーマンス最大65%高速化を実現しています。楽曲制作や編曲、サイズの大きな画像処理などにおいても、ストレスなくハイパフォーマンスを安定して発揮してくれることでしょう。
もちろん、6または8コア第10世代Intel Core i5(または7)プロセッサを搭載した標準スペックでも十分に優れたパフォーマンスが期待できます。より幅広いアーティストやデザイナー、エンジニアやクリエイターにとって使いやすいiMacへと進化したのです。
メモリも、これまでは最大64GBまででしたが27インチiMacからはその倍となる128GBまで増設することができます。高負荷の作業が中心の方こそ、今回の27インチiMacは「買い」の一台といえるのではないでしょうか?
カメラやスピーカー、マイクも大幅に進化
新型コロナウイルスの影響で外出自粛やテレワークが増えたことにより、ビデオ会議をする機会やオンライン飲み会に参加することが多くなったという方も多いでしょう。そんな方々にも、今回の27インチiMacはおすすめです。
まず、FaceTime HDカメラの解像度が720p→1080pへと向上しました。より滑らかで鮮明な映像で会話ができるようになったということです。加えて3マイクアレイを搭載している点も見逃せません。簡単にいえば、マイクアレイとは「音が飛んでくる方向から、拾いたい音と不要な音を区別できる仕組み」です。より話者の声がクリアに聞こえるとともに、ノイズを拾いにくくなったと考えてよいでしょう。
Appleの徹底ぶりに「さすが」と感じるのは、今回27インチiMacで初めて採用された「Apple T2Securityチップ」です。T2チップがスピーカーと連携し、イコライザでサウンドを変化させることで、低音域のレスポンスそのものが向上しました。まさにAppleが掲げている通りiMacの「目(解像度)」「声(3マイクアレイ)」「耳(T2チップ)」が進化したというわけですね。
「目の覚めるような美しさ」を謳うグラフィックスにも注目
もうひとつ、忘れてはいけないのがグラフィックスです。27インチiMacに搭載されているGPUは最大16GB・GDDR6メモリを誇る次世代AMD「Radeon Pro 5000」シリーズです。複数の4KビデオやUHDビデオの編集がスムーズに行えるほか、GPUにとって高負荷となるゲームプレイなどに対しても、これまで以上のパフォーマンスを発揮してくれます。27インチiMacの前モデル(Radeon Pro Vega 48グラフィックス搭載)と比較すると、次のようになります。
・Maxon Cinema 4D ProRenderで行うレンダリング→最大55%高速化
・Unity Editorで行うデモフライスルー→最大50%高速化
・Total War: THREE KINGDOMSのゲームパフォーマンス→最大45%高速化
・Final Cut Pro Xのタイムラインレンダリング→最大30%高速化
いかがでしょうか?軒並み大幅な高速化が実現されていることが分かりますよね。3Dレンダリング、あるいは複雑なビデオエフェクトを多用する編集作業などにおいても軽々しく作業できるのはもちろん、まるで現実世界のようなリアリティーのあるグラフィックのゲーム開発などにも活躍してくれるでしょう。
まだまだある!魅力たっぷりの【27インチiMac】はやっぱり「買い」!
ここまででも十分、メジャーアップデートされた27インチiMacの魅力がお分かりいただけたと思いますが、まだまだお伝えしきれない魅力がたっぷり詰まっています。
たとえばワイヤレス通信機能を見てみましょう。Wi-Fiは従来の27インチiMacと同じ「IEEE 802.11a/b/g/n」対応ではありますが、今回の27インチiMacではBluetoothが4.2→5.0へと進化しています。これにより、さまざまなワイヤレスデバイスにスピーディーに接続可能になったと思ってよいでしょう。
欲をいえばWi-Fiは「5」ではなく「6」対応が良かったのですが、ただ、オプションで10Gb(ギガビット)イーサネットを選ぶことができます。「RJ-45コネクタ」を使ったNbase-T業界標準の1Gb、2.5Gb、5Gb、10Gbのネットワーク速度に対応してくれますので、デスクトップ間でのファイル共有、高性能ネットワークストレージの利用、大容量データなど高負荷な作業にも対応できるようになります。
大げさではなく、文字通り「メジャーアップデート」された今回の27インチiMac。買い替えを検討している方はもちろん、iMacが初めてという方にもぜひおすすめしたい一台です。