多数の機能を持つスマートミラー「Venus」
CESでは毎年出品された製品の中から、イノベーティブな製品に対してアワードが贈られています。そして、スマートミラーの中にもこのアワードを受賞した製品があります。韓国ICON.AIの「Venus(Smart Makeup Mirror with Alexa Built-in)」もその1つ。
ICON.AIのスマートメイクアップミラー「Venus」
本体にはAmazon Alexa が内蔵されており、鏡の部分に7インチのタッチスクリーンを配置。音声で話しかけるだけで様々な情報を表示できます。「Skin Diagnostic(肌診断)」機能では肌分析やARメーキャップに対応。このほか手元を明るく照らすランプ機能や、 LED リングライトで顔を照らしながらメイクができる機能などを搭載しています。
メイクアップだけでなく様々な用途で使える。
米ELECTRIC MIRROR社 は社名の通り様々なスマートミラーを手掛ける老舗の鏡メーカー。照明内蔵タイプや、テレビ内蔵、ディスプレイ内蔵など様々な鏡をいち早く展開しており、 朝、歯磨きをしながらテレビを見たり、Webブラウジングしたりできます。
ELECTRIC MIRROR社のスマートミラー。左のタイプはテレビが内蔵されており普段はテレビとして番組視聴ができます。 また、縦型の鏡は下半分にディスプレイが内蔵されておりインターネットなどが表示できました。
その他、CES 2020では、多くのメーカーのブースにディスプレイを内蔵したスマートミラーが展示されており、国によってはすでに一般的になっていて、手軽に導入できるレベルに来ていることがわかります。
米COMMAX社のブースにあったスマートミラー。住宅内の空気の状態など、様々なインフォメーションが表示されている。
KOHLERの「VOICE LIGHTED MIRROR」。ボイスアシスタントが内蔵されており手を使うことなく照明のON/OFF、明るさをコントロールできる。
韓国サムスン電子の社内ベンチャーであるlululabの「LUMINI Home」は 110秒で肌の状態をスキャンし、最適な化粧品を勧めてくれるAI内蔵ミラー。
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AR技術を使った洋服のコーディネートや過去に来た服とのマッチング機能が登場
最新のスマートミラーは、単に情報を映し出すだけでなく、その次の段階に進んでいます。パナソニックの子会社であるshiftallの「Project:NeSSA」は着ている服を認識し、過去の服とのかぶりを教えてくれるスマートミラー。製品名は“Never Same Shirt Again((人前で)同じシャツを着ていかない)”の略。
洋服のかぶりを気にせずに着られるようになるスマートミラー。
洋服を着て「Project:NeSSA」の前に立つと、カレンダーデータにあるアポイント相手の名前や、イベント名などと照合。前回着ていた服と現在の服を独自のソフトウェアアルゴリズムで判定。類似している場合、上部のランプの色で教えてくれます。
これによって、取引先と会うときに、前回と同じシャツを着ていたといったミスを防ぐことが可能。おしゃれにはそれほど関心はないが、人から見られる立場にいるといった利用者を想定したアイテムです。
過去のスケジュールから抽出した服装の画像と突き合わせて自動的に重複を判断してくれる。
大手家電メーカーのブースでは AR 技術を採用したスマートクローゼットの提案が多く見られました。例えば、中国ハイアールのスマートクローゼットプロダクトでは、「3D Fitting Mirror」を中央に配置。鏡の前に立つと全身を撮影し、 その映像に登録されている洋服などを合わせてフィッティングすることができます。実際に洋服を着ることなく、様々なアイテムや色を切り替えることができ、手軽にコーディネートが楽しめるというわけです。
ハイアールが提案するスマートクローゼット。 洗濯機や乾燥機、スマートキャビネットなどとスマートミラーが組み合わせられている。
撮影した映像をもとに服を組み合わせるため体型や顔立ちとも合わせられる。
こちら韓国 LG のスマートミラー。 同じように AR技術を採用してフィッティングができる。
まだ日本市場では普及が始まっていないスマートミラーですが、すでに世界市場では多くの製品が登場しています。今後さらに進化していくと、日本市場でも定番化していく可能性がありそうです。