中学生のころから英語が大の苦手。とくにリスニングは酷いもので、外国人に話しかけられると、歌舞伎町で恐い人とすれ違うよりも緊張します。海外旅行や出張に行くと英語を勉強しようと思うのは “あるある”ですが、そういう気持ちもだんだん薄くなり、来世で英語ネイティブに生まれるよう祈るだけになりました。そんな私ですが、先日、思うところあり、翻訳機の「ポケトークS」を購入しました。
ソースネクスト「ポケトークS」2万9800円(グローバル通信2年付き・税別)。従来モデル「ポケトークW」よりもコンパクトかつ画面は拡大。6種類あるカラバリの中から、レッドを選びました。
翻訳機を手に入れると、これまで敬遠していた外国人と話したくなります。しかし、日常的に会話できるような外国人の友達は近くにいません。来年の2月には海外出張が入っていますが、それまで使う機会がない? いやいや、その気になれば話せる外国人はたくさんいるはずです。もっとも身近なのは、お店の人でしょう。エスニック料理店は、たいてい外国人の経営だし、東京ではコンビニもほぼ外国人のバイトさんです。
というわけで、前から気になりつつも利用したことがなかった近所のお店「K2 ケバブ&カレー」さん(東京都中野区野方)にやってきました。ケバブはトルコ料理なんですかね。カレーといえばインドやネパールのイメージですが、K2(世界で2番目に高い山)だからパキスタン? 謎を抱えつつお店に突撃。
「いらっしゃいませー」流暢な日本語で話す店長さん。あえて、ここは翻訳機を使って会話します。
「あなたは何人ですか?」とりあえずは英語に訳してみた。「Where are you from」むちゃくちゃ中学英語じゃないか、恥ずかしい。
帰ってきた答えは「Bangladeshi(バングラデシュ人)」。ケバブといえば、トルコかイランのイメージだったので意外です。そういえば昔は、バングラ「ディッシュ」と呼んでた気がしますが、正確には「デシュ」なんですね。ディッシュだと「皿」だし。
しかし、バングラデシュって何語だろう? 「バングラデシュは何語ですか」は、「What language is Bngladesh」と訳されました。意味は通じるけど、「バングラデシュでは何語が使われていますか」→「What language is used in Bngladesh?」のほうが正確に伝わりますね。翻訳機を使ってると、より正しく日本語を話すよう矯正されてきます。
答えは「ベンガル語」。バングラデシュとインドの西ベンガル州で使われており、Wikipediaによると話者数は2億6000万人と、日本語の2倍以上。言語の変更は、国旗からも選択できるので、日本語の読めない人にも操作してもらいやすい。それにしてもバングラデシュの国旗、日本人には親近感があります。
店長さんの名前を聞いてみます。ベンガル語の発音は、「ソマンナンチ」です。英語と違って、翻訳があってるかは見てもわかりませんが、大きく肯かれたので、意味は通じた模様。名前はジャヒルさんでした。(ここからは、PCからも履歴にアクセスできる「POCKETALKセンター」の画面を使っています)
ベンガル語に切り替えて、カレーのおすすめを聞いてみました。答えは「マトンカレー」。ナンが付いて600円。
お店横のイートインコーナーでいただきました。鶏肉ゴロゴロ。焼きたてなのでナンがサクサク。ちなみに、鶏肉はハラール認証されているのでイスラム教徒の方でも食べられます。
「美味しい」をベンガル語に翻訳すると「シュシャドゥ」。美味しいぐらいは、その土地の言葉で伝えられるようになりたいですよね。
このぐらいの会話は余裕です。マイクが好感度かつ、コンパクトな割に音も大きくできるので、商店街のような場所でも使いやすいでしょう。
プライベートなことも少し聞いてみました。「ライブ」は英語のLive(住む)をそのまま読んだだけ?「はい、住んでいます」が正しい訳ですね、きっと。単語2つ3つで簡単に答えるよりも、文法的に正しくしゃべってもらった方が翻訳結果も正確になるようです。
ポケトークSには、カメラが内蔵されており、文字を読み取って翻訳する機能もあります。看板にあった文字は「ハラール」でした。音声と違って内外文章は苦手ですが、外国語の表記しかないメニューなどで便利なはずです。
さて、前から気になっていたことを尋ねてみました。看板には「ケバブ&カレー」とあるのに、ケバブの姿を見たことがない。6年前からやってるのに、何か問題や心境の変化でもあったのだろうか?
恐る恐る訊いてみると、「ケバブは夕方焼いて、冷蔵庫に保存。注文が来てから出す。3日間ぐらい持つんだけど、外に出しておくと傷むからね」とのこと。なるほど、ここ数年の疑問が氷解した瞬間です。
というわけで、夜になってから再訪(飲んだ帰りです)。
ありました、焼きたてのケバブ!
もちろん、買って帰りました。「お酒のおつまみに買う人は多いよ」(ジャヒルさん)とのこと。すっかり、この時はポケトークを使うのを忘れていましたが、まぁ翻訳機が、ここまで話すきっかけにはなったわけで、コミュニケーションツールとしては、日本国内でもかなり使えるのではないでしょうか。