シャープの「ヘルシオ ホットクック」は、モーターの力で食材をかき混ぜる棒が付いている調理家電。鍋の前に立ち、かき混ぜる作業は不要。スイッチを入れたら、“ほったらかし”で料理が完成する、いわゆる時短家電として働く主婦などに絶大な支持を受けています。
そんなホットクックに、ひとり暮らしの男性をメインのターゲットにした1~2人用モデル「KN-HW10E」が登場。
同社の提唱するAIとIoTの融合「AIoT」対応で、Wi-Fiを内蔵しており新たなメニューをダウンロードして使えるのも特長です。どのように便利なのかを、実際に(ひとり暮らしの男性っぽいメニューで)試してみました。
「ヘルシオ ホットクック KN-HW10E」容量は1Lで、従来のモデルに比べるとかなりコンパクトです。カラーはブラックとホワイトに(従来モデルはレッドとホワイト)。実は、従来モデルでも1~2人世帯がユーザー全体の3割(夫婦のみ21%、ひとり暮らし12%)を占めており、今回の新モデルが開発されたとのこと。
鍋の上部にかぶせて使う「蒸しトレイ」が付属。上で蒸し野菜、下でトマト煮込みといったような「上下2段調理」が可能です。メニューはほかに、飲茶セット(上で中華まんやシュウマイのあたため、下でスープ)など。内鍋がテフロン加工になったので、下でごはんを炊きながら、蒸しトレイでおかずのあたため、といった使い方も。
2段調理がちゃちゃっとできるのは、料理に手慣れた人な気もします。ここは、ひとり暮らしを始めたばかりの独身男性になりきってメニューを選んでみます。昔を思い出してみれば、冷蔵庫にあるのは卵とビール程度、「カレー? レトルトを買えばいいじゃん」ぐらいダメなひとり暮らしでしたけど、当時の自分にも作れるメニューを見つけました。「温泉卵」です。
「メニューを選ぶ」から「カテゴリーで探す」→「発酵・低温調理」と進むと、「温泉卵」が見つかります。
内鍋に卵を入れて(1~4個)かぶる程度に水を入れます。一般的なレシピでは卵を常温に戻してからの茹で時間が書かれていますが、ホットクックでは冷蔵の卵をそのままと指示されているのがナイス。卵を常温に戻すのは面倒ですよね。
「スタート」ボタンで調理開始。ときおりスピーカーから萌えっぽい声で「加熱していますよ〜」「わくわく〜、できあがりを楽しみにしていてくださいね」などと話しかけてきます。うん、ひとり暮らしでもさみしくないですね。
完成のお知らせが鳴ったので、フタを開けてみました。低温調理とはいえ、温度は68℃。この後流水につけて冷やします。
めんつゆをかけて、いただきます。
黄身の具合が最高です。家族にも好評でした。一度に4個まで作れるので、家族持ちでも活躍しそうなメニューです。温泉卵はガスでお湯を沸かしても作れますが、温度管理が面倒ですし、割るまで成功しているかわからず不安です。この点は細かい温度管理が可能な電気鍋に長がありますね。
次に作ったのは、「野菜炒め」です。健康に対して意識低い独身男性でも、たまには野菜をとりたくなりますよね。しかし、いくつもの野菜を買ってきて、包丁で切るのは面倒ですし、余らせてしまう。そこで用意されているのが、コンビニやスーパーで売られている「カット野菜」からの野菜炒めメニューです。
「まぜ技ユニット」と呼ばれる部品を取り付けます。これが、野菜をかき混ぜるのです。
味付けはお好みとあるので、今回は塩コショウ、「創味シャンタン」で。「創味シャンタン」は男の料理ではぜひ常備しておきたい中華調味料です(個人的見解)。
材料と調味料を内鍋に入れる。フライパンで炒めるときのように、焦げそうになりながら「調味料どこだっけ」などと慌てるなんてこととは無縁です。自分のペースでOK。
調理時間は20分。フライパンで作るよりも時間がかかりますが、“ほったらかし”ですから、よほど空腹でない限り無問題。
フタを開けると、ぐるぐる回されたことがわかる状態になってました。
油を使ってないので、カロリー的にはよりヘルシーです。豚バラ肉を混ぜて作れば肉野菜炒めになります。
スマホとの連携が使いやすい!
「KN-HW10E」は本体に搭載されていないメニューも「COCORO KITCHEN」からダウンロードして調理できます(計約100メニュー)。そのためにはWi-Fiを接続し、専用アプリをスマホなどにインストールする必要があります。
本体のWi-Fi設定は、「設定」→「無線LAN設定」で。お使いのルーターにワンタッチ接続ボタンがあればそのままつながりますし、スマホを本体とWi-Fiで接続してから家のルーターにつなぐ方法もあります。
アカウント「COCORO ID」でログインした後、アプリに「KN-HW10E」を登録します。
「COCORO KITCHEN」は、本体、スマホ、どちらからでもアクセスできます。写真や材料、作り方が見られるのはアプリからのみですが、本体でダウンロードした場合もアプリにはそのメニューが自動で登録されるようになっています。
今回は、アプリからメニューを本体に送信してみます。作るのは、「白菜のクリーム煮」。ひとり暮らしを始めたばかりの独身代生にしてはレベル高くないですか?
「ホットクックへ送信」で、本体にメニューを送ります。スマホ側は同じWi-Fiに接続されている必要はなく、外出先からでも操作可能です(ただし本体の操作中や調理中は送信されない)。
本体の「ダウンロードメニュー」の中に、送信されたメニューが表示されています。
「まぜ技ユニット」をセット、一口サイズに切った白菜を内鍋に入れます。
薄力粉をまぶしたベーコンとしめじを投入。刻んだニンニク、牛乳、バター、コンソメを入れて調理開始。どうせ混ざるので、材料の投入はテキトーでも問題ないでしょう。
30分後。できてます(あたりまえ?)。
盛り付け。2人分ですが、小皿なら4人で食べられるぐらいはあります。手前味噌ですが、シンプルな材料で作ったとは思えない、お店で食べるような味です。
正直、「白菜のクリーム煮」は、アプリに提案として出てこなかったら作ろうと思わなかったメニューです。男のひとり暮らしは、料理がワンパターンになりがちですが、アプリからおせっかい的に薦められるのも悪くはありません。
メニューは通知でもおすすめされます。
IoTを意識させない使いやすさ
必ずしも使いやすいとは言えない製品も存在するIoT家電ですが、ホットクックは累計20万台とユーザー数が多いこともあり、IoTの部分が洗練されています。内蔵のメニューも、ダウンロードするメニューも、操作に大きな違いはなく、最初の設定さえ済めば、インターネットを意識することすらないかもしれません。
1~2人用として販売される「 KN-HW10E」ですが、3人以上の家族でも、メインのおかずではなく「もう1品ほしい」時にあると便利です。また、従来のホットクックを本体サイズが大きいことで躊躇していた人も検討する価値があるでしょう。うちもサブの調理器として欲しくなってきました。